「ルックバック」とは、「チェンソーマン」で大ヒットした漫画家・藤本タツキさんが手掛けた漫画です。
2021年に読み切り漫画として「ジャンプ+」に掲載されましたが、掲載直後からSNS上で大きな反響を呼ぶと、わずか30分でトレンド入り。
その後単行本も発売されるなど、読み切り漫画のボリュームを遥かに超える人気ぶりで話題となりました。
その「ルックバック」が2024年6月28日より劇場版アニメとして全国の映画館で上映が開始されています。
劇場版も原作に負けず劣らずの勢いで多くのファンを魅了し、上映開始からわずか10日間で興行収入が6億円を突破するほど!
それほどまでに人気を集める「ルックバック」とは、一体どのような作品なのでしょうか。
本記事では現在話題沸騰中の映画「ルックバック」について詳しく紹介していきます。
映画「ルックバック」について
公開から10日で興行収入が6億円を突破した「ルックバック」がどのような映画なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
まずは現在大ヒット上映中の映画「ルックバック」について、作品情報やあらすじなどを見ていきましょう。
作品情報
まずは映画版「ルックバック」の制作陣などの作品情報を紹介します。
《劇場版ルックバックの作品情報》
監督:押山清高
脚本:押山清高
制作:スタジオドリアン
上映開始日:2024年6月28日
上映時間:58分
主題歌:Light song / haruka nakamura
キャスト
藤野 / 河合優実
京本 / 吉田美月喜
監督を務める押山清高さんは、庵野秀明さん監督の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」や、スタジオジブリで制作された「君たちはどう生きるか」などに携わっており、非常に豊富な経験を持っている方です。
押山清高さんが監督と脚本、キャラクターデザインを一任しており、殆ど彼が構成しているといっても過言ではない作品だともいえますね。
また、キャストとして選ばれた河合優実さんと吉田美月喜さんは、共に声優ではなく女優を生業としている方です。
あえてアニメ声優を起用せずに女優を抜擢したのでしょうか。
その審議は定かではありませんが、2人が演じる役からはとても自然体だと好評の声が多く上がっています。
あらすじ
小学4年生の藤野は、学年新聞で自身が手掛けた4コマ漫画を連載していた。
そんなある日、不登校として学校に殆ど来ていなかった同級生の京本の4コマ漫画が学年新聞に掲載された。
藤野は京本の4コマ漫画を見てその画力の高さに衝撃を受ける。
京本を越えたい一心で藤野はその後ひたすら漫画を描き続けたが、最後まで自分が納得できる漫画を描くことができず、最終的に京本との画力差に挫折する形で漫画を描くことをやめてしまった。
それから月日は流れ、迎えた小学校卒業の日。
不登校の京本のために、自宅まで卒業証書を届けに行った藤野はそこで彼女から「ずっとファンだった」と胸の内を告げられて––––。
映画は原作から大幅な修正は加えられておらず、ほぼ原作通りの展開となっています。
映画も原作同様に小学校時代の2人からその後大学に進学した2人までを描いており、ラストシーンは実際に現実で起こった京アニ放火事件をモチーフにしたこともあってかなり考えさせられる内容です。
ですので、もしかしたら観る人によって印象がかなり異なる作品かもしれませんね。
公開から10日で興行収入が6億円越え!大ヒットした要因は?
上映開始時は全国の上映館がわずか119館とかなり小規模でしたが、興行収入に比例するかのように徐々に上映館が追加されています。
では、なぜ映画「ルックバック」はここまで大ヒットを記録することに成功したのでしょうか。
最後に作品の魅力について、視聴者の感想を交えながら深掘りして紹介していきます。
魅力①丁寧な手書き映画
まず最初に挙げる映画「ルックバック」の魅力は、現代アニメにしては珍しい徹底的に手書きで作り込んだアニメーションです。
近年のアニメ作品の多くは、より立体的にキャラクターを表現できる3Dを採用していますが、映画「ルックバック」は3Dを使用せず、押山清高さんが自ら手書きで表現しています。
それもカット数は驚きの350超えともいわれており、そのほとんどに修正を入れる徹底ぶり。
3Dを使用せず、終始一貫して手書きで表現した作品ですが、その作風が作品の雰囲気にかなりマッチしていたと大好評でした。
特に藤野と京本の間に流れる空気感や、それぞれ感情はとても綺麗に描かれており、思わず見入るような世界となっています。
現代の主流となっている3Dをあえて採用せず、それこそ漫画のようにラフな手書きの作風に舵を切ったことで、より2人の世界観を綺麗かつ鮮明に描くことができたのかもしれませんね。
魅力②58分で完結させる見事な構成
2つ目に紹介する魅力は、とても58分の作品だとは思えないほど綺麗にまとめられた構成です。
作中では小学生の頃の藤野と京本の出会いから2人の距離を縮めた卒業式、そして物語の肝となる大学時代が描いています。
一見すると58分では足らない規模のボリュームにも思えますが、どのシーンもかなりバランスよく取り入れていて、物足りなさなどを一切感じさせません。
それどころか、視聴後はまるで何時間もの長編映画を見ていたかのような錯覚を覚える視聴者が続出するほど。
まるで58分の映画を見ていたとは思えないほどの重厚なストーリーを、綺麗にまとめた押山清高さんの手腕がとても光った作品といえるでしょう。
また、綺麗に物語をまとめた構成だけではなくBGMや藤野と京本の演技など、その他の要素のクオリティも全体的に高く、視聴者を作品の世界にぐっと引きずり込む要因となっています。
もともとストーリーがかなり高く評価されていましたが、その原作の評価を更に上回ろうとする制作者の熱量が随所で感じられる作品といえるのではないでしょうか。
まとめ
以上、今回は公開直後から大ヒットして話題を集めた映画「ルックバック」について紹介しました。
小学生時代の邂逅と、2人の関係性、そして大学時代に訪れた悲劇など、2人の人生をとても綺麗な作風で描いた作品、「ルックバック」。
「ルックバック」とは「過去を振り返る」という意味を持つ言葉ですが、なぜその言葉をタイトルにつけたのか。
最後まで視聴すると、その意味に気付くことができ、作品のより深い魅力を味わうことができますよ。
内容・構成・作画、どれもとても素晴らしい作品なので、是非多くの方に一度は見てもらえればと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。